働き方改革や副業の解禁が話題になった昨今では、さらに発展して「会社員からフリーランスに転向したい」と考える方も多くなっています。会社員からフリーランスへとキャリアチェンジする場合、どのような準備が必要になるのでしょうか。
本記事では、会社員がフリーランスになるために必要な準備について解説します。これからフリーランスとして働きたい方は必見です。
フリーランスになる前から準備を! 会社員時代にやっておくべきこと
フリーランスへ転向する場合は、“会社を辞める前”から準備を進めておくのが鉄則。ここでは、会社員時代にやっておきたい準備についてご紹介します。
クレジットカードの作成、住宅ローンの借り入れを済ませておく
フリーランスになるとクレジットカードの作成や住宅ローンなどの借り入れ審査に通りにくくなる傾向があります。事業用のクレジットカードを作りたい場合は、会社員時代に準備しておくとスムーズです。
また、住宅ローンについても同様で、会社にいるうちに組んでおくとよいでしょう。
フリーランスの仕事につながる人脈作り
フリーランスは自分で仕事を獲得しにいかなければなりません。その際に効いてくるのが「人脈」です。フリーランスになると、以前の職場や取引先の方など、人脈のおかげで仕事を獲得できるケースも多く見られます。フリーランスへの転向準備として、会社員時代から積極的に人脈作りをおこなうことをおすすめします。
1年間の生活費を貯金しておく
フリーランスになるときは、「生活資金」を準備しておくことも大切です。毎月固定給が入ってくる会社員時代と違い、フリーランスは毎月の受注量・報酬額がまちまちになることが多いもの。いっぽう、各種税金や健康保険・年金、毎月の生活費は会社員時代のままです。特にフリーランス初年度は会社員時代の所得税・住民税が課されるため、出費も大きくなります。安心してフリーランスへ転向するためにも、最低1年間は生活できるくらいのお金を準備しておきましょう。
会社員からフリーランスとして独立するための準備は?
会社員からフリーランスとして独立する際の準備は、以下のとおりです。
- 退職手続き(後任への引き継ぎ、社会保険の脱退)
- 国民健康保険、国民年金の加入手続き
- 開業届、青色申告承認申請書の提出
- 仕事道具、営業販促ツール、会計ソフトなどの準備
必要な準備について1つずつ見ていきましょう。
退職手続き(後任への引き継ぎ、社会保険の脱退)
会社退職の手続きをすることは、フリーランスとして独立する準備の第一歩です。上司・人事と相談のうえで退職日を決めたあとは、業務の引き継ぎや社会保険脱退などの手続きを済ませましょう。
国民健康保険、国民年金の加入手続き
フリーランスになり会社を辞めたあとは、14日以内に国民健康保険・国民年金へ加入する必要があります。会社員時代の社会保険・厚生年金の資格を失ったあとはすみやかに手続きをおこないましょう。
開業届、青色申告承認申請書の提出
初年度から個人事業主として働く場合は、税務署へ開業届を提出します。個人事業主になると「屋号」を決められるようになります。開業届は1/1~1/15までに開業した場合はその年の3/15まで、1/16日以降に開業した場合は開業日より2ヶ月以内が提出期限となることを覚えておきましょう。
また、それと合わせて「青色申告承認申請書」も提出するとよいでしょう。
フリーランス(個人事業主)の確定申告には「白色申告」「青色申告」があります。青色申告には最大65万円の特別控除に加え、以下のようなメリットが得られます。
- 純損失(赤字)を3年先まで繰り越せる(純損失の繰越控除)
- 事業用に購入した固定資産(10万円以上の備品や、耐用年数1年以上のもの)に対し、30万円未満ならその年度の経費として計上できる(少額減価償却資産の特例)
- 家族への給料を「経費」として申告できる(青色事業専従者給与)
青色申告は複式簿記で帳簿付けをするため、書類作成の手間がかかりやすいという側面もあります。しかし節税に効果的なメリットが多いため、本業フリーランスとしてやっていくのであれば青色申告を選ぶことをおすすめします。
仕事道具、営業販促ツール、会計ソフトなどの準備
業種によっても変わりますが、フリーランスになる際は早めに仕事道具を準備しておきましょう。
準備しておきたいもの
- 仕事用PC
- WEBサイト(ホームページ)、SNSアカウント
- 名刺
- 書類作成のテンプレート(請求書など)
- 会計ソフト
- その他事務用品、机&椅子など
フリーランスは自分で営業、販促・宣伝、経理等の事務作業をする必要があります。そのため、業種に関わらず仕事用のPCは準備しておきましょう。
近年ではネット経由で仕事を獲得するケースが多数あります。そのためネットショップや受注サイト、SNSアカウントも必ず準備しておくことをおすすめします。オフラインでの営業活動をする場合は、名刺を準備しておくと印象が良くなるでしょう。
またフリーランスがスムーズに仕事をするためには、細かな事務作業を効率化することも大切です。毎月クライアントに送付する請求書のテンプレートや、帳簿付け用の会計ソフトも準備しておくと良いでしょう。
フリーランスになる際は準備が大切! 住所も要確認
会社員からフリーランスになるには、やらなければいけない準備がたくさんあります。抜け・漏れがないよう、チェックリストを作って、1つひとつ確実に準備を進めていきましょう。
またフリーランスとして活動する際には、WEBサイトや名刺へ会社住所を記載することになります。しかし在宅フリーランスの場合は自宅住所を使うことになります。そうなれば個人情報が気になる方も多いのではないでしょうか。
このように「オフィスを借りたくないが、事業用の住所は準備しておきたい」というときに便利なのが、「バーチャルオフィス」です。
「格安で住所を借り、自宅住所の代わりに使いたい」「都内一等地の住所をWEBサイトやネットショップ・名刺などに使いたい」というフリーランスの皆様は、ぜひバーチャルオフィスをご検討しましょう。