会社員として働きながら副業をしていると、ふと「副業を本業にしてしまえばいいのでは?」と考える瞬間があると思います。実際のところ、副業を本業にすることは現実的なのでしょうか?
ここでは副業を本業にするメリットやデメリット、本業として起業するならどのタイミングが良いのか……といったことを解説します。
副業を本業にするメリットとは?
副業をされている方の中には、副業として「興味があること」」「好きなこと」を楽しんでいる方も多いでしょう。また、自分自身の力でお金を稼ぐことに喜びを感じている方もたくさんいるはずです。
そんな中、副業が好調だと「本業として本格的にやっていこうかな」と迷うこともありますよね。副業を本業にするメリットには、以下の4つがあります。
大きなやりがいが感じられる
自分のやりたいことや好きなことを本業にできるというのは、大きなやりがいを感じるものです。副業が楽しくて仕方がない場合、本業にシフトチェンジすることで毎日やりがいを持って働けるようになるでしょう。
組織のしがらみ無く自由に働ける
会社勤めには人間関係のいざこざ、組織ならではの不自由さが伴います。しかし副業を本業にして「個人事業主」となれば、そういったしがらみもなく、好きなように働けるようになるでしょう。
自分の好きな場所・時間で働ける
会社勤めをしていると決まった時間に出勤・退勤をする必要があります。しかし副業を本業にしてしまえば、自分の都合の良い時間に働けるようになります。業種によっては働く場所も自由になるので、「午前中は映画を見に行って、午後からカフェで働く」なんて働き方も可能です。
会社員より高収入を目指すことも可能
会社員の場合、昇給は年に1~2回しかないので、収入が大きく変わるケースは少ないもの。近年は年功序列の賃金形式を取るところも減りつつあります。
しかし本業化して個人事業を営めば、努力次第で大きく収入を伸ばすことも可能です。そうなると、会社員時代の収入を超えるのも夢ではありません。
副業を本業にするデメリットは?
副業を本業にすると自由な働き方ができ、大きなやりがいが感じられるメリットがあるとご紹介しました。しかしその一方で、「副業の本業化」にはさまざまなデメリットがあるのも事実です。
収入が安定しない
会社員から副業を本業化したとき、もっとも大きなデメリットは「収入が安定しないこと」でしょう。
会社員の場合、昇給の幅こそ小さいものの、安定した給与がもらえます。しかし個人事業では、成果を出さない限り収入は得られません。場合によってはその月の収入がゼロになってしまう、というリスクもあるのです。家族を養っている方にとって、このリスクは軽視できないものだといえます。
経理や事務などの手間・負担が増える
副業を本業にして独立した場合、経営や経理処理、細かな事務作業などの手間が一気に増えます。
事業が成長して経理事務担当者を雇えるようになれば楽になりますが、それまでは仕事もしつつ、自分で細かな作業をこなさなければならない点に注意しましょう。
会社にはあった手厚い保護がない
会社勤めの場合、社会保険(健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険)や福利厚生など、さまざまな手厚い保護が受けられます。それ以外にも、ミスをしたときの補償など、会社に守られているケースは多々あります。
しかし副業を本業化して個人事業主になった場合は、保険上の「労働者」ではなくなり、雇用保険や労災保険に加入することはできません。万が一失業したり、ケガや病気で入院したりしても、会社員のような保障が受けられないのです。
また個人事業主は国民健康保険、国民年金に加入する必要があります。この場合、会社が保険料を折半してくれていた会社員時代よりも、保険料は高くなります。
副業を本業に切り替えるベストタイミングは?
副業を本業に切り替えるには、メリットもデメリットもあります。ただ、それでも「副業を本業にしたい」という場合、どんなタイミングで切り替えるべきでしょうか。
副業収入が会社員の収入を上回ったとき
副業を本業化する目安のひとつに、「副業収入が会社員の給与を上回っているか」という基準があります。
副業は本業よりも短い時間で行う場合が多いですが、その手取り収入が会社員としてもらっていた収入を上回っていれば、“副業が成功している”といってよいのではないでしょうか。
この場合、本業化することでさらに収入を増やせる可能性もあります。また、会社員として働いていた分の時間を使い、新たな事業を展開する……なんてことも実現できるかもしれません。
3年後、5年後も成功するビジョンが見えているとき
副業を本業にしたいと考えたとき、「その仕事には需要があるか? 数年後も続けていけそうか?」を考えることが重要です。トレンドの仕事を副業にしている場合、たとえ今は好調でも、数年後にどうなっているかはわかりません。
本業にするならば、「長く需要がある」「将来の展開やビジョンが明確にある」という状態を目指してからでも遅くはありません。また本業化の成功率を高めるには、十分な開業資金が貯まっているかも大切です。
これらを考えたとき、本業として起業するリスクやデメリットの方が強い場合は、副業として続ける選択肢もありだと思います。
副業を本業にシフトするには収入が大きなカギ!
会社から独立して副業を本業にするためには、「会社員時代の収入を超えたかどうか」が大きなターニングポイントになります。それまでは会社の保護や恩恵を享受しつつ、二足のわらじで頑張り続けるのも良い方法でしょう。
なお、自宅で副業をされる方、起業して独立し個人事業主となる方は「バーチャルオフィス」の利用をおすすめします。自分で事業をしていると、取引先やお客様に連絡先を教えるシーンは何かと多いものです。しかし、自宅で事業を行っている場合、自宅の住所を教えることにもなります。
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