起業して法人登記を検討している方で、バーチャルオフィスを利用している場合、登記ができるのかどうか不安に思う方も多いでしょう。基本的にバーチャルオフィスでの登記は可能で、違法性はありません。しかし、職種によっては違法になることもあります。
そこで今回は、バーチャルオフィスで登記をする際に気を付けたいポイントについて解説していきます。これから法人登記を予定している方はぜひ参考にしてみてください。
バーチャルオフィスの違法性について
バーチャルオフィスでの登記は違法ではない
法人登記とは、会社に関する情報を法務局に登録し、一般に公開する手続きです。登記場所に関しては、実体のないバーチャルオフィスでも可能で違法性はありません。しかし業種によっては、法人登記はできるが申請の許可がおりない場合があるので、注意が必要です。
販売の特定商取引法上では注意が必要
ネット上で商品を販売している方の場合、ホームページに「特定商取引法」に定められた情報を表示する義務があります。
内容は、消費者が問い合わせをすることができる住所・電話番号・メールアドレス・責任者の名前などです。住所はバーチャルオフィスで借りたものでも良いのですが、まったく情報を開示する気がない場合は違法になる可能性があります。
情報を常に開示したくない場合、連絡がとれる別の連絡先を表示するなどするとよいでしょう。
バーチャルオフィスで許可がおりない可能性がある業種
人材派遣業
人材派遣業の一般労働者派遣業の場合、20平方メートル以上の事業所が必要となり、さらに賃貸借契約書の提出も必要です。そのため、バーチャルオフィスでは要件を満たすことができないので、人材派遣業の許可を得るのは難しいでしょう。
職業紹介業
職業紹介業有料の職業紹介業をおこなう場合、都道府県労働局を通して厚生労働大臣の許可が必要です。申請の際に、実体のある事業所が必要とされているため、バーチャルオフィスの住所では許可を得られません。
廃棄物処理業
産業廃棄物等の処理業をおこなう事業者は、都道府県や政令指定都市による許可が必要です。産廃業者は、処理をおこなう施設や能力が的確に継続しておこなえる必要があるため、バーチャルオフィスでは許可が得られないでしょう。
バーチャルオフィスの利用が可能な業種
株式会社や一般社団法人、NPO法人など一般的な会社の場合、法人登記にバーチャルオフィスの利用が可能です。法人登記の際に必要な本店の所在地や営業所の支店など、住所はバーチャルオフィスのもので登録できます。
ただし、法人登記されている住所へ郵便物などが届くので、転送サービスを利用するなどしてこまめに郵便物のチェックをすることが重要です。
まとめ
一般的に法人登記の際、バーチャルオフィスを利用していても違法にはなりません。
しかし、古物商や人材派遣業など特定の業種は実体のある事務所を必要とするので、バーチャルオフィスでは申請しても許可がおりない場合もあります。
法人登記の申請をする前に、自分の事業がバーチャルオフィスの利用でも申請可能かどうか確認するようにしましょう!